みなさまから寄せられるよくあるご質問と回答を掲載しています

Q.

てんかんは遺伝しますか?

A.

多くの場合てんかんは遺伝しません

少数のてんかん症候群を除き、多くの場合てんかんは遺伝しません。「てんかん発作の起こりやすさ」は遺伝する可能性がありますが、この場合でもてんかんを引き起こす別の原因があって初めて発症すると考えられます。また、脳の損傷によって起こるてんかん(症候性てんかん)は遺伝しません。
ただ、てんかんが遺伝するかどうかは妊娠中の人だけでなく、結婚する人にとっても大変重要な問題ですので、「遺伝カウンセリング」を受け、相談に乗ってもらうとよいでしょう。

遺伝カウンセリングとは

ある遺伝子の異常で起きる遺伝病や先天異常について、患者やその家族の疑問に応え、相談に乗ってくれるカウンセリングです。現在では「認定遺伝カウンセラー」という遺伝病専門のカウンセラーの養成が進んでいます。

関連ページ
小児てんかん > 間違えられやすい病気
Q.

てんかんは治る病気ですか?

A.

発作の多くは止めることができますが、タイプによって治りやすさが異なります

てんかん発作の70〜80%は抗てんかん薬や外科治療によって止めることができるといわれていますが、てんかんのタイプによって治りやすいものと治りにくいものがあります。てんかんは一人一人異なっていますので、例外もありえます。今後の見通しについては主治医に尋ねてみましょう。

治るタイプ
良性小児てんかん
通常成人になるまでに完全に治ります。

欠神発作
大部分は成人になるまでに治り、特に全身けいれんなどの発作がないものほど治りやすいことが知られています。

成人の側頭葉てんかん
80%は薬で発作を抑えることが可能です。

完全に治るわけではないが、症状をなくすことが期待できるタイプ
若年ミオクロニーてんかん(JME)
抗てんかん薬によって症状を抑えることが可能ですが、薬を中止すると5年以内の再発率が75〜100%といわれています。勝手に薬を中止せずに、主治医の先生の指示に従いましょう。

治りにくいタイプ
ウエスト症候群、レノックス・ガストー症候群
発作は治療にある程度反応しますが、完全に治ることは難しいタイプです。

側頭葉てんかん
側頭葉てんかんの一部に完全な発作の抑制が難しいタイプがあります。

関連ページ
小児てんかん > 小児てんかんは治るの?
てんかん発作の種類
動画解説「てんかんとは?」 > どんな発作があるの?
Q.

治療にはどのくらいの時間がかかりますか?

A.

発作が治まって一定期間で減薬を検討しますが、治療中止後の再発を防ぐためのきちんとした服薬が重要です

治りやすいてんかんのタイプであれば20歳になるまでに薬を中止できます。基本的に、発作が治まって2年経過すれば薬の減量を検討します。減量中は定期的に脳波検査を行い、発作がなく、脳波にも異常がなければ半年程度かけて薬をやめます。
しかし、小児では11~36%、成人では21〜66%が治療中止後1~2年間に再発することが知られているので、できるだけ長く、きちんと服薬することが重要です。

Q.

てんかんに特別な食べ物はありますか?

A.

栄養バランスのとれた規則正しい食生活が重要です

栄養のバランスがとれた規則正しい食生活と健康な生活習慣は発作の抑制を維持するために重要です。

Q.

寝るときだけに起こる発作って?

A.

人によって睡眠中にだけ発作を起こす人もいます

人によって、睡眠中にだけ発作を起こす人と、目覚めているときにだけ発作を起こす人、睡眠中も覚醒中もともに発作を起こす人がいます。
寝ているときの発作は寝ぼけていると間違われたり、てんかん以外の病気と判断されたりすることがあります。

覚醒時大発作てんかん

特発性全般てんかんのうちの1つで、主に10代に発病し、全般性強直間代発作が起こります。覚醒型(34%)、睡眠型(45%)、混合型(21%)があり、年齢とともにこの型が変化することがあります。

Q.

ゲームをやっているときに発作が起こりやすいのですが?

A.

長時間夢中になることや、視覚刺激によって発作が起きやすくなることがあります

長時間にわたって集中や緊張をした後にその緊張が解けると発作が起こりやすくなることがあります。ゲームは長時間夢中で続けることが多く、発作が起こりやすくなると考えられます。
また、縞模様、チラチラする光、赤色の刺激などで発作が誘発される「光過敏性てんかん」による発作が約4%の人に見られます。もし、これまでに視覚刺激で発作を起こしたことがあればゲームは望ましくありません。もしゲームが止められない場合は、抗てんかん薬を規則的に服用したうえで、画面は小さいほうが望ましく(できれば12インチ以下)、部屋を明るくし、画面から2m以上離れ、長時間のプレイは避けるようにしましょう。また、視覚刺激をやわらげる青色のサングラスをかけてゲームをする等、刺激を弱めることが必要でしょう。

Q.

アルコールを飲んでもいいでしょうか?

A.

アルコールがてんかんに悪いという科学的根拠はありませんが、飲み過ぎには注意しましょう

基本的にはてんかん患者さんの過度の飲食は好ましくありませんが、アルコールがてんかんに悪い、という科学的根拠はありません。アルコールによって発作が引き起こされることは少なくありませんが、その場合は睡眠不足や不規則な抗てんかん薬の服用などとアルコールが複合的に関係していることが多いです。ただ、適量のアルコールは心身をリラックスさせますが、飲みすぎると睡眠時間が短くなり、脳に対して好ましくありませんので、飲みすぎは控えましょう。

Q.

てんかんが起こる前兆はどんなものがありますか?

A.

主に、身体感覚症状、視覚症状、聴覚症状などがあります

てんかんの前兆とは「発作の起こり始めに自覚する症状」を意味します。したがって、前兆とは発作の初期症状と考えることもでき、どのような前兆が起こるかによって発作の起こる部位を特定する大切なサインとなります。そのため、その人の前兆症状はいつも同じ症状であることが多いです。

主な前兆症状

身体感覚症状
手足がピリピリする、感覚がなくなる、電気が走る、手足が動かせない、手足が熱い、冷たいなど、さまざまな感覚が起こります。

視覚症状
点や星型、線や円形など、いろいろな形が見える、それも白黒であったり、色付きであったりします。

聴覚症状
ブンブン、カンカンという、機械の音がする、といった単純な音から、人の声が聞こえる、といった複雑な内容のこともあります。

この他にめまいなどの身体動揺感、焦げくさい臭い、硫黄の臭いなどの嗅覚症状、苦い、甘い、酸っぱい味がするなどの味覚症状、胃腸がゴロゴロするという体や内臓の感覚異常の他に頭痛、不安感、恐怖感、胸がドキドキする、脈が速くなるなどのいろいろな症状が起こります。
ただ、発作の起こるかなり前(1時間前、半日あるいは数日前)から“イライラ” “怒りっぽさ” “めまい” “頭痛”などの前駆症状が起こることがあります。そのため、「○○といった症状があると、そのうちに発作が起こる」と家族やまわりの方が言ったり、患者さん自身も「自分で発作が起こるのがわかる」ということがあります。しかし、言葉の定義からするとこれらは前駆症状というべきであって、前兆とは言いません。

Q.

抗てんかん薬は妊娠中に飲んではいけませんか?

A.

薬に対して過剰に心配するのではなく、妊娠前から主治医と十分相談してください

妊娠や出産に対して、発作と抗てんかん薬のどちらがより影響があるかが問題になります。抗てんかん薬を服用すると、一般的に先天性の異常を持った子供が生まれる可能性が高くなりますし、妊娠中に全般性のけいれん発作が起きると切迫流産や切迫早産などの原因となる可能性があるからです。
ただ、抗てんかん薬による先天異常は口唇裂、口蓋裂などの小奇形が多いとされています。

妊娠に際し、次のような注意が必要です。

妊娠時に必要な注意

  • 抗てんかん薬はなるべく1種類だけで治療する。
  • 先天異常が起こりやすい抗てんかん薬を前もって他の抗てんかん薬に変更しておく。
  • 危険な抗てんかん薬の飲み合わせはしない。
  • 服薬量をできるだけ少なくする。
  • 葉酸が低下したときには補充する。

以上の処置をすることで、妊娠・出産に対する薬の危険性をかなり防ぐことができます。薬に対して過剰に心配するのではなく、妊娠前から主治医と十分相談し、時には妊娠前カウンセリングを受け、疑問や不安を十分に解消することも必要です。

関連ページ
女性のてんかん > 妊娠
Q.

妊娠中に気をつけることはありますか?

A.

自己判断で薬の量を加減することはせず、主治医とよく相談してください

胎児に対する影響を気にするあまり、抗てんかん薬を服用するのをやめたり、量を減らしたりすることで、発作が誘発される可能性が高まりますので、自分の判断だけで薬の量を加減することは絶対にしないでください。妊娠中もきちんと服薬し、ストレスの少ない生活をすれば、約80%の人は妊娠前と比べて発作の頻度は変わりません。
ただ、妊娠中は抗てんかん薬の血中濃度が低下することがありますので、定期的な検査を行うことが必要です。発作が増えたり、抗てんかん薬の影響が心配なときは主治医とよく相談し、疑問や不安を解消しましょう。

関連ページ
女性のてんかん > 妊娠
Q.

抗てんかん薬を飲んでいますが、授乳をしてもよいでしょうか?

A.

自分の飲んでいる薬が赤ちゃんに影響を与えないかどうか主治医に相談しましょう

抗てんかん薬によっては母乳中へ移行する抗てんかん薬の量が異なります。自分の飲んでいる薬が赤ちゃんに影響を与えないかどうか主治医に相談しましょう。

Q.

副作用が心配で、薬を飲まないことがあるのですが…?

A.

抗てんかん薬を不規則に服用すると、発作が起こって、好ましくない結果を招くことがあります

抗てんかん薬は長い期間飲み続けることから副作用が出ることもありますが、異常を感じたり、今までと様子が変化するようでしたら、勝手に服薬を中止しないですぐに主治医に相談しましょう。
患者さんの中には、副作用のことを気にして抗てんかん薬の服薬が不規則になっていることがあります。しかし、抗てんかん薬を不規則に服薬すると、発作が起こって、そのために好ましくない結果を招くことがあります。
したがって抗てんかん薬としての効果を十分発揮して、副作用を少なくすることが大切です。

Q.

てんかんのある人は車の運転をしてはいけないのですか?

A.

運転免許の取得には医師の許可、免許更新時には毎回診断書が必要です

2014年6月1日から改正道路交通法(以下、道交法と略す)の運用が始まり、道交法の中にてんかんに関連する記載が見られます。 その要点はつぎのとおりです。てんかんがある人の場合、運転免許の取得には医師の許可が必要となります。免許の更新時にも同様に毎回医師の診断書が必要となります。更に夜間のみの発作など例外的な場合を除いて、2年以内に発作を発現したことが一度でもあると道交法上運転はできなくなります。自動車運転に関係して以下の事柄をご確認の上法令遵守に心がけてください。なお、抗てんかん薬の使用によって、自動車運転に注意が必要な場合がありますので、そのような場合、主治医にご相談ください。

運転時に必要な注意

  • てんかんのある人の運転免許取得には、一定の条件が決められています。
  • てんかんのある人は、大型免許と第2種免許の取得は控えてください。
    ※運転を主たる職業とする仕事も、お勧めできません。
    ※5年以上発作がコントロールされていて、抗てんかん薬の服薬も終えている場合に運転適性があると判断されます(「日本てんかん学会」)。
  • 症状が安定し、運転免許の取得・更新を考えるときは主治医に相談しましょう。
  • 運転免許の取得や更新をする際には、症状を申告することが求められますので、正しく申告しましょう。
  • 体調不良や抗てんかん薬を飲み忘れた時などには、運転を控えましょう。
  • 運転に支障が生じる状態になった時には、運転適性相談窓口(運転免許センターなど)に相談しましょう。
  • 「改正道路交通法」「自動車運転死傷処罰法」によって、以下の点が変更になりました。
  • (1) 免許の取得・更新時の質問票に虚偽回答をして事故を起こすと罰則が科せられることがあります。
  • (2) 病気の症状等を理由に免許が取り消しになった場合は、取り消しから3年未満に運転適性の状況が回復すれば、試験免除で免許の再取得が可能になりました。
  • (3) 運転することができない状態であるのに運転をし続ける人を、医師が公安委員会に届け出ることができます。
  • (4) 運転をしてはいけない状態であることを承知しながら運転し、死傷事故を起こした場合の刑罰が重くなりました。
Q.

てんかん発作は脳に影響しますか?

A.

てんかん発作を持つことが知能や性格に影響を与える可能性があります

てんかん発作を持つことが知能や性格に影響を与える可能性があります。それは次のようなことがあるからです。

発作が知能や性格に影響を与える可能性

(1)発作そのものが脳の働きに影響を与える。

(2)発作を起こすような脳の障害がもともとある。

(3)抗てんかん薬が脳に影響を与える。

(4)発作があるために適切な教育や社会参加の機会が失われる。


脳への障害とてんかんの関係

脳の中でも発作の起こりやすさは部位によって異なります。したがって、さまざまな要因で脳に障害が起こった場合でも、どのような部位に障害が起こるかによって発作が起こったり起こらなかったりします。ただ、机の角に頭をぶつけたとか、ブランコから落ちたといった軽い程度のものではてんかんの原因となることはほとんどなく、頭蓋骨の陥没骨折や、脳腫瘍、脳出血、脳梗塞、脳炎などの深刻な障害を受けるとてんかん発作が起こりやすくなることが知られています。

また、脳に傷があったり、脳炎によって脳が広く障害を受けていたりするためにてんかんが起こる場合と、特に脳に大きな障害がないてんかんでは脳の働きの障害のされかたが異なります。
抗てんかん薬はどの種類の薬をどのくらいの量、服用しているかで脳に与える影響が異なりますので、薬の種類や量を考慮に入れる必要があります。
さらに、教育や社会的環境が患者さんの性格や能力に影響を与える場合もありますので、てんかんを持つ人の抱える問題を考える場合には、さまざまな要因を考慮する必要があります。

関連ページ
てんかんの発作の種類
動画解説「てんかんとは?」 > どんな発作があるの?
主な合併症
抗てんかん薬の主な副作用
Q.

てんかんはどの診療科で治療してもらえますか?

A.

てんかんの専門医に診てもらうことがもっとも望ましいです

てんかんは精神科・神経内科・脳外科・小児神経科・小児科などで診断・治療を受けることができますが、てんかんの専門医に診てもらうことがもっとも望ましいです。なぜなら、てんかんは人によって症状が異なり、その治療には生活上の問題、長期治療、治療終了の決定などさまざまなことを広く考えて、長い期間にわたって治療を受ける病気ですので、医師にとっても経験と知識が要求されるからです。
てんかんは子供のころに発症することが多いので、てんかんの専門医の診断治療を受けることが望ましいですが、もし、診断や治療が困難なときは、現在、日本の各地に『てんかんセンター』がいくつか設置されていますので、そちらに紹介してもらうのもよいでしょう。
専門医へ定期的に通院することができない場合には、年に数回専門医の診療を受け、日常の治療は主治医にしてもらうよう、事情を相談してみましょう。
相談したいことがあったら、一度「日本てんかん協会」(Tel.03-3232-3811)に相談してみましょう。

<参考>てんかん専門医を探そう

全国各地にあるてんかんを専門的に診療しているてんかん専門医についての情報を探すことができます。

Q.

学校や会社に伝えておくことはありますか?

A.

てんかんの診断と症状、発作の頻度、対処法などを伝えておく必要があります

学校

日中に発作がある場合には、水泳や登山、修学旅行などの行事の際に学校側(担任および養護教諭)にてんかんの診断と症状、発作の頻度、対処法などを伝える必要があります。その際、行事に参加可能かどうかの証明書の提出や家族の同行といった条件がつく場合があります。いずれの場合でも学校の了解が必要なので、事前によく相談し、万が一不測の事態が起こった場合に責任は保護者にあることを了解しておくことが原則です。
また、日常の学校生活の中でも落ち着きや集中力のなさ、不機嫌、軽度の知的障害などの合併や、自動症、意識消失などの症状が現れると、事前にそのことを知らせておくのがよいでしょう。

関連ページ
小児てんかん > 生活での注意点は?
日常生活のアドバイス > 周囲の協力
会社

発作によっては患者自身や周囲に危険が生じる可能性がある場合があります。そんな場合は伝える必要があります。重い症状を持たない場合には基本的に職業選択は自由に行えますが、てんかんだと就職できない・しない方が望ましい職業も存在しますので、よく調べて就職しましょう。

関連ページ
日常生活のアドバイス > 就職
Q.

子供にどのようにてんかんのことを知らせればよいでしょうか?

A.

子供の年齢に応じて、薬や検査のことなど、わかりやすくてんかんのことを伝えておきましょう

もし、てんかんだと子供に伝えずにいると、通院や検査を嫌がったり、服薬を拒否することなどが起こりやすくなります。したがって、「てんかんは薬を長く飲まなければならないが、きちんと薬を飲んで、検査をすればいずれ薬がいらなくなるときが来る」と年齢に応じて子供にわかりやすくてんかんのことを伝える方がよいと考えられます。
親がうまく伝えられないと思ったときは主治医に相談し、協力を求めましょう。

Q.

スポーツや趣味はすることができるでしょうか?

A.

スポーツをすることは可能ですが、水泳、登山、スキー、旅行、ゲームなどには注意が必要です

以前は運動による疲労・ストレスによって発作が起こる危険性や、運動中の発作によってけがをする危険性などを考慮してスポーツを制限することもありましたが、楽しんで体を動かすことや、適度な緊張感が発作を抑制することが知られるようになり、てんかんだとしてもスポーツをすることは可能であることがわかってきました。
ただ、水泳や登山、スキーなどてんかん発作を起こすことで生命の危険にさらされる場合や、旅行などで生活リズムが変化する場合、ゲームや光などてんかん発作が誘発されやすい場合には注意が必要です。

関連ページ
日常生活のアドバイス > 運動
日常生活のアドバイス > 旅行・レジャー
日常生活のアドバイス > テレビ・ゲーム